哀しいまでの天国のような

  
外出の合間のちょっとした時間。
スーパースクールの卒業生、寺本さんが主催している
フォトグラフィックス・ギャラリー、
PUNCTUM(http://www.punctum.jp/)へ。
今日から、在本彌生さんの写真展がはじまるのだ。
http://www.punctum.jp/arimoto.html
  
  
寺本さんの人柄あって、PUNCTUMはとても居心地のよい場所に
なっている。京橋というオフィス街にありながら、ぽっかりと
シェルターのような空気の場所。初めてお目にかかったときも、
寺本さんは、とても気さくに話をしてくれて、在本さんの
写真展の初日にはご本人が在廊しているかも、と教えてくれた。
  
初めてお目にかかった在本さんは、やっぱりどこか彼岸の、
自らの空気をまとった素敵な方だった。凛としていながら、
浮遊しているような、でもどこかとてもたくましい女性。
やわらかく、オープンなのに、どこか覚悟をきめている人。
  
写真集もすごく素晴らしく(MAGICAL TRANSIT DAYS)、
ああ、久しぶりに好きだなと思える写真に出会ったと
思ったのだけれど、オリジナルプリントは、ほんとうに
素晴らしかった。光、透明感、夜、人、交わり。
痛いくらいに伝わってくる。ここはどこだろう、哀しいまでに
天国のような瞬間。でもその瞬間は儚く脆く、でも確かだ。
ひとりひとりが花となる。
  
人に、世界にわけいるチカラ。
違和感や、共感を重ねて、その接点でシャッターを押す。
私が見ています、と誰かに伝えるような。
誰か見ていて、どこかに祈るような。