真夜中のホームで

  
仲間たちと心地よい時間を過ごした後に。
緑深き森の横に立つ。
  
すうっと嗅いだ薫り。
冷んやりと世界の秘密をあばくような。
  
冷徹で、しかし明らかなる生命の薫り。
  
ここにも息づいている。
この都会でも、確かにある艶めかしさ、気配を、野蛮さを
知らしめている。
  
気をつけろ。
うっかりすると捕まえられる。
捕らえられたなら、戻ってはこれない。
  
それでも。
ホームという地点で、その薫りを嗅ぐという安らぎ。