2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧
打ち捨てられた聖地 ぽっかりとそこにあらわれている そこにはぽっかりと虚空にむけて黒い穴が空き、 幾億千万の粒子と宇宙のロジックによるハーモニーが 饒舌に何かを発している ほんとうに生きているものたち。
私がもっとも愛するのは 蝉の鳴く夏のある一日 部屋で本の世界を旅しながら ねっとりと汗のついた指を見つめる そんな瞬間であったことを 突如として思い出した。 冷めているけれど その瞬間、 その感覚の目撃者であること。 その感覚すらもぽっかりと 手に…
夜の闇にそびえたつ一本の樹 水がふりそそぐように 光を浴びている 葉から水泡が出て 昇っていくように見えるのは気のせいだろうか 包むように照らす青白い蛍光の灯りが むしろあたたかく映ることもある 息をする、息を。 静かに漂う生々しさ。 その姿を見て…