夜の船に揺られて、帰路につく。 この街はなんという街だろう。 さらに揺られて、吸い込まれるような光のない空間。 揺られるなかでぽっかりと浮かぶ黒の闇。 闇に囲まれてますます黒く。深く、口を空けている。 息づいている。 終わりのない空間が口を空け…
仲間たちと心地よい時間を過ごした後に。 緑深き森の横に立つ。 すうっと嗅いだ薫り。 冷んやりと世界の秘密をあばくような。 冷徹で、しかし明らかなる生命の薫り。 ここにも息づいている。 この都会でも、確かにある艶めかしさ、気配を、野蛮さを 知らしめ…
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